最期の日々と葛藤

ある日の朝、いつもと同じようにやけに明るく

「おーはよー」って挨拶した。

母はその声で目覚めて、"また目覚めちゃったか"

みたいな顔をして「はあ〜死にたい」と呟いた。


延命治療はしたくなかった。

母も当然望んでなかったと思う。

でもいざとなったら、わたしはやっぱり

弱めそだった。

口から食べものを食べられなくなった母の

栄養の点滴をやめられなかった。

血管も細くなっていって、針の刺される場所が

どんどん増えていっても、やめられなかった。


もう普通に話は出来ないし、動くことも

出来なくて、本人が辛いこともわかっていたのに、

生きていて欲しかった。

まだこの生活を続けたかった。


でも、静脈ポートの話が出たとき、

断ることができた。

だんだん枯れていくように、楽に、

お別れしよう、と決断できた。


最期の方は一緒のベッドで座って、

本を読んでた。

ずいぶん助けられました。